前回、給食費未払いの保護者が問題になっていることに触れた。

もちろん、経済的能力は充分であるにもかかわらず…、

という保護者の話であるが、

一部こういう保護者が突然変異的に出現した

ということではないはずである。

こういう保護者がいるということは、

表には出ていないが

それに近い保護者もまた少なからずいるということである。

つまり、大人が全体として地盤沈下しているはずなのである。

私も26年間教育の現場に身を置いて、

保護者が変わったなあとの思いが強い。

20代後半、中高一貫の私立学校で担任をしていた。

親たちは、いろいろ不満もあったであろうに、

20代の若造教師に、実に丁寧に接してくれたものである。

あくまで、敬意を持って応対してくれた。

そのことが、子供のしつけにもよい効果をもたらしていたのである。

親自体に懐の深さがあったように思う。

今、私と同世代という気安さなのか、

問い合わせの電話や、面談で話をしていると、

いきなりなれなれしい口調で語りかけてくる親が

少なからずいる。

つまり、大人の会話自体が成立しないのである。

しかも、求めているものが目先の利益なのだ。

そういう親は話していてどうしようもない薄っぺらさを感じる。

幸い、GHSの保護者はまともなので助かっているが、

日本全体としては大人のレベルが間違いなく下がっている。

こうした問題意識を持つのは私だけではないはずで、

まずは同じ問題意識の輪が広がっていくことを期待したい。