東京新聞だっただろうか、

先日ある人のインタビュー記事が載っていて

現代の大人、特に政治家の幼稚化を指摘していた。

その人は、システムがいかに改善されようとも、

人間が未熟であれば結局は事は改善しようがない旨

語っていた。

一面の真理を述べていてタイムリーな記事である。

このインタビューの受け手は

現代の大人が幼稚化していることを大きな問題として指摘しているのである。

その人が主張する、その幼稚化の内容とは、

「問題の責任を他に求める」という一点に尽きる。

要は、「人のせいにする」ということである。

この点に限っては私はその指摘にまったく賛成である。

その人は東大仏文科(以前に紹介)出身のようで

まだ辰野隆の伝統健在か、とうれしくなったのであるが、

何か問題が生じると、

今の大人はその責任の所在を自分ではなく人のせいにする。

現代に蔓延している慢性病といえるであろう。

横からそれを指摘すれば怪訝な顔をされたり、

下手をすると、逆恨みさえされかねない現代の病状である。

自分に何か不幸や不運が起こったら、

それはかりに周りにも原因があったとしても

間違いなく自分にも原因があるのである。

そしてそれを理解しない限り

その人はその問題から抜け出せないし、

本質的な解決にたどり着けないのである。

私が敬愛する先輩であり、

心から信頼できる友人でもある吉川義塾の吉川先生は

子供のころ父親に

問題の原因は必ず自分にある、

いじめられたとしてもそれはいじめられる自分が悪いのだ、

と教育されたという。

今の親たちが聞いたらヒステリーを起こしそうな

発言であろう。

しかし、私は吉川先生の父親はすばらしい教育者だったと思う。

そうした教育を受けて育った吉川先生だからこそ

私と馬が合う。

彼は自分にかかわることに関して絶対他人を非難しない。

私が常々感心し、敬服する点である。

相手がどれだけの人物であるかを判断する基準は

実に簡単である。

ことが起こったときに

その原因を人のせいにするかどうかである。

是非身近で試してみられるがよいだろう。