雑食性の人間は

一日30ないし40品目を

バランスよく食べることが健康に一番良いという。

自分の恥をさらすようであるが

私は31,2歳の頃、

毎日サーロインステーキ(ス−パーに売っている安いもの)を食べ、

スポーツジムに通い・・・という生活を一年近く続けたことがあった。

その直後である。

「隆起性皮膚線維肉腫」という悪性の腫瘍ができて手術する羽目になった。

知り合いの医師に食生活のあり方を厳しく叱られ、

大いに反省して食事を変えると、

それまで一年に一回必ず3,4日寝込む風邪をひいていたのが

ぴたりと風邪をひかなくなった。

食事がこんなにも大事であることを知ったのは

遅まきながらこのときである。

10代、20代の若いときは若さがあるから

少々の食事のまずさは

なかなか表にあらわれにくい。

しかしそれだけに怖くもあるわけである。

同じことが学習にも言えるであろう。

学習というアタマの食事もバランスが重要である。

また、年齢に応じた食べ物というものがあるであろう。

幼児にあまりに早くから難しい字を教えようとしたり、

先取り学習をさせるのは

離乳食をとばしていきなり固形物を食べさせるようなものである。

子供時代の学習的食べ物は、

前回書いたように実物を五感器官の全てを用いて

豊かに反映させることであろう。

紙の学習は少しずつでよい。

中学の学習は全ての科目をバランスよくすべきである。

基本的には高校もそうであろう。

あまりに早くに理系、文系に分けるのはよくない。

見ていると、受験を知らない

しかし、進学実績を上げようと力んでいる新興の高校ほど

早くから文理を分け、

科目を絞って勉強させようとするようである。

しかし、早くからの学習栄養の偏りは

「学習腫瘍」を生み出しかねないことを

こころすべきであろう。

残念ながら、「学習腫瘍」は

手術で摘出すれば済むというわけにはいかないのであるから。