浪人生には

3月の入会時に

私が一人一人に勉強とはどうすることなのかを

じっくり手ほどきすることにしている。

(高校生には無理があるのでしない)

これをどれほど重大なこととして受け取るかで

成績の伸びが違ってくるのである。

今年東北大学の医学部に進学していった大熊君に

先日「大学への数学」に掲載する広告の原稿を

書いてもらったのだが

それを読むと

私の最初の指導の大事さを実によく理解してくれていたことが分かって

彼の成績の伸びに納得がいったことである。

彼の心にしっかりと響いていたのである。

3年前に筑波大学医学部に進学した村松君もそうであった。

材料として2次関数を使うので

高1の内容であり、簡単に受け止めてしまう生徒も多い。

しかし、私は2次関数を教えているわけではないのである。

2次関数は材料というだけの話で

もっと本質的なことを教えているのである。

それをどれだけ大事なこと、

受験の結果を左右する重大なこと

と受け止めるかは残念ながら人によって違ってくる。

私が伝える本質を本当に本質として受け取った生徒は

それを一年間実践し続ける。

数学だけの話ではない。

全教科で、極端には生活の全場面で実践できる。

そうすれば必ず尋常ではない実力がつくのである。

何しろ受験の極意を教えているのであるから。

しかし、それを心に響かせ、極意と取れるかどうかは

その人次第である。

受け取る意志がからむからであり、

それもまた人生の機微なのであろう。

しかし、健全な向上心と

本物と真実と本質とを求める若い渇望があれば

必ず心に響くはずである。

それが本当の素直さであり、

その素直さが結局は自分の人生を豊かにしていくのである。