いろいろな受験生がやってくる。

なかに本当に学力がない!と慨嘆させられる生徒もいる。

なんて頭が悪いんだろう…と

同情したくなるような生徒もときどきいるのである。

ただ、素直で、向上心があって

要は性格が良いと断れない。

入会を許可するのである。

しかし、残念ながら1年では無理である。

学力はびくとも動かない。

いや、第一印象としては

永遠に無理だとさえ思える学力なのである。

しかし、しかしである。

正しい学習を続けるとやがて伸びるのだ。

教えていて話が通じていることに驚かされる。

以前の本人とは「別人」なのである。

それを感じた時のこちらの感激といったらない。

本人以上である。

本人は学力がなかった分、出発点の自分の酷さを

認識できていないだろうからである。

しかし、それはよい。

とにかく、教える側は驚きであり、感激である。

それだけにそれまでに出会いがなかったことと

出会った指導者の無責任さに義憤を禁じえないが、

それもまた考えても仕方がないことであろう。

ひとりの人間を救えたことがうれしい。

また新たな受験生を迎える時期となった。

若さの持つ可能性がうれしい。