新学期が始まり一週間が過ぎた。

生徒はなかなかのハードスケジュールである。

よくこれだけのことをこなすなあ、と感心する。

若さのなせる業である。

しかし、それだけ毎日実力を付けていくのであるから

すごいことでもあり、うらやましい。

日々、成長・発展していく毎日を送ることほど

人間として素晴らしいことはない。

しかし、そうあるべきはまた大人も同じであろう。

その成長の中身は若者と異なるであろうが

やはり一日生きたら一日向上する毎日でなければ

人間である意味がない。

若いときに頑張って、後はその遺産で生きていくでは

生きる甲斐がないというものである。

若いときに成功しすぎると

往々にしてそういう後半生を送りがちである。

浪人という失敗は今後の人生への価値ある伏線なのである。

向上心は死ぬまで一生持ち続けなければならない。

どの年齢で何を向上させていくかを考えるのも

また人生の楽しみであろう。

成長と向上の素晴らしさを

目の前でたえず若者に実演してもらえる教師という仕事は

若者という鏡に自らを映し出して

不断に反省を強いられるありがたき職業である。