世の中には失敗したことがない人がいる。

彼は失敗とは何かを知らない。

だから本番を前に臆することはない。

臆するということを知らないのだから、

緊張しろというほうが無理である。

世の中にはそのままに行け行けドンドンで

人生をお祭りのように生きてしまう幸福?な人も何人かはいるであろう。

しかし、ほとんどの人々は

人生のどこかで失敗をし

しくじりをし、

怖い思いをし、

いざというときその記憶がよみがえり・・・

という経験をしていくであろう。

そのなかでそれとどう向き合い、

どう付き合っていくかを学んでいくのが人生であろう。

オリンピックをやっている。

まだ若い彼らの中には失敗を知らない人も多い。

何しろ並外れた運動能力で小さい頃から勝ち癖をつけ、

すごい、すごいと言われ続けてきたのであるから。

しかし、今回はそういう人々が壁にぶつかっているシーンが

ままあるようである。

それはある意味でやっと人間らしい人生に入ったということでないだろうか。

失敗もなく、勢いのままに金メダルを取るのも、それはそれでお祭りでよかろう。

おめでとうである。

しかし、

いろいろな人間くさい個人的歴史をたどっての金メダル、

いや銀、銅メダルも味があるのではないか。

たかだか20代そこらであまりにうまくいってはいけない。

若いときにつくっておかなければならない免疫をつくらず

素通りしたときあとでどうなるかは

身体も心も同じである。

メダルの数以上にそちらが大事だ。