国立二次試験が終わり、

受験生は今週末の発表を

なんとも言い難い落ち着かぬ思いで待つ辛い時期である。

合と否。

明暗がはっきり分かれる厳しい宣告である。

合格すれば天国にも昇る気分である。

不合格となれば、人生が終わるかのような絶望に突き落とされる。

少なくとも当事者の主観としてはそうである。

夢に描いた志望大学での楽しい学園生活を送れるか

それが単なる夢と消えるか、なのである。

しかし分かって置かなければならないことは

大学入試が最終目標ではないという当たり前のことである。

もし実力なく、たまたま合格したのであれば

それは一時の喜びではあっても本当の幸福ではない。

実力を培ったのに不合格であれば

一時の辛さは耐え忍ばねばならぬが

将来もっとよいことが待っていると信じてよい。

蓋し、大学入試は人生の通過点でしかないがゆえに

幸不幸をはかる基準は合否ではない。

本当の実力を自らに創造しえたか否かである。

実力のない高学歴者の無様さを見るがよかろう。

もう入試は終わったのである。

さらなる実力を自らに養うために

もはや次なる爪を研ぎ始めなければなるまい。