現代の受験生をたくさん見ているわけだが

勉強以外で自分の足を自分で大きく引っ張っているものに

自意識がある。

人間だれでも自意識があり

近代になればなるほど自意識が強まっていった。

今の子供たちは人数が少なく

大事に育てられたせいもあって

人一倍自意識が強い。

それがプラスに働けばよいのだが

ときとして過度にマイナスに働いている場合がある。

これが厄介である。

やたらと自分の成績を隠したがる。

「個人的な事情」を知られたくない。

時代の流れが個人情報保護に向かっていることと

共振して増幅していく。

この手の自意識は

「自分が何より大事」ということの裏返しでしかない。

なぜそんなに自分が大事なのだろう。

「医者になりたい!」と言いながら

自分を一番大事にし、

心が傷ついたとふさぎ込む。

そんなことは二の次にして

自分を待っている将来の患者を早く助けるべく

ひたすら勉強すればよいのに・・・。

他人を救いたいと言いながら

自分を先に救いたいのである。

子供を大事に育てることは当然であるが

何が大事に育てることなのか

大人がしっかりと本質を見る目を持たないと

ともに不幸である。