大手予備校が実施する全国規模の模擬試験が昔とすっかり様変わりしている。
送られてくる情報冊子に数字しかないのである。
昔は成績上位者が総合、科目ごと、文理別に載っていて
自ずと有名人がいたりしたものである。
大学に入ってから
「君が○○君かあ・・・」という会話があって盛りあがったりしたことである。
何年か前、まだ名前が掲載されていた時代、
成績上位者の欄に
名前の代わりに「*」マークがついているケースがあって
何だろう?と不思議に思ったら
名前を載せたくない人はあらかじめ届けておくことによって
伏せることができるということであった。
時代も変わったなあ、と思っていたら、
今や成績上位者欄自体がなくなってしまった。
GHS予備校に全国1位の生徒がいるので、楽しみに見てみたのだが・・・。
個人情報にうるさい時代となり
そこから金儲け主義のさまざまな勧誘の手が伸びてくる状況を考えれば
致し方ないのであろうが、
世知辛い世の中になったものである。
お互いに顔が見えない無機的な世界に住むことになって
それが今回のSNSを通しての忌まわしい殺人事件の背景になっているようにも思う。
人間は社会的な生き物であって、顔が見えない社会は人間本来のあり方を外れていよう。
人間がその本質を失えば、
そこに何かしらの新しい社会的な病魔が生まれてくるのは
避けられないはずである。
経済成長も課題であろうが
こうした本質的な問題を政治家は取り上げるべきであるし、
日本人全体で問題を共有すべきではないだろうか。