2020年入試結果から
コロナ関連で、書くのがやや遅くなった感はありますが、今年も大学進学教育GHSで学んだ生徒たちが、医学部へと進みました。進学者(水増しのためののべの合格者ではありません)は、国立私立合わせて16名。
新宿本部校在籍者(浪人生)で医学部志望者は、総勢30数名なので約半分は望みが果たせたことになります。無選抜、無差別で、基本申し込み順。高校名とかで入塾を優先させたり、模試の結果次第で割り引いたりということなし。掛け値ナシの合格者です。
残念なことを言えば、現役合格者は1名きりです。信大医学部に進みました。信大へはGHSからは6人目になります。実を言えば、残りの半分は二浪以上での合格です。推薦入試以外の、一般入試での現役合格は、今や至難のこととなってきています。
ここまででも、医学部に進学するということは、どんなに艱難辛苦の道かをわかっていただけるでしょう。恵まれた秀才ではない、ふつうの高校生(つまり、高校の進路指導の先生には、「医学部はムリ、諦めなさい」と言われる人)が医学部を志望した場合の現実の縮図です。
「二浪してでもムリだよ」と言われて、必死になってネット上を探して、ようやくGHSを探しあててきた人もいます。高校時代の勉強量次第では、一年で結果を出す人もいますが、基礎からやり直しとなると、2年はかかるものです。それでもGHSで基礎からやり直さなかったら、何年かかるかわからなかった・・・そういう人ばかりです。
センター試験で必要なレベル
では、具体的なデータで、その大変さを実感していただきましょう。
私立医学部受験のみで、センター試験を受けなかった生徒は除いてあります。今年のセンター試験は、やや難しく、上位層が少なくなりました。得点率90%以上の割合が減り、85%前後が国立医学部が受験できる目安となりました。今年は、数学が特に得点が取れなかったようです。
もちろん、一次と二次の配点比率や、入試科目や、その大学の入試問題との相性、そして本番で実力発揮できたか・・・など、色々な要素がありますので、センター試験の点数だけでは決定的なことは言えないのですが、それでも、レベルの高さと、厳しさは一目瞭然です。こんなに取っていても、進学先がない生徒がいることも見てください。ここまで来たのだから、悔しさをバネに「もう一年」です。
Eの生徒は、国立一筋で頑張って、見事、信大医学部に合格しました。今も昔も、信大は相当以上に難しいわけです。だから、Hの生徒はこれだけとっても、しかも、二次試験の実力はかなりつけていながら、信大医学部には届きませんでした。
Aの生徒は、志望を下げて、想定外の地方の国立医学部を受験しましたが、前期も後期も届きませんでした。でも、理系科目だけ見るとこの中でトップです。あの実力で、どうしてダメだったのか、私としては知りたい限りです。でも、これほどの実力があるからこそ、私立医学部の正規合格を勝ち取りました。実際は、補欠の25番(実質合格してます)から繰り上がった方の私立医学部に進学しました。
私立医学部は、今や、国立大志望者との併願がふつうとなり、このようにしてセンター試験を基準に比較可能になりました。理数系科目だけなら、せめてセンター試験で8割取れないと、私立の医学部には行けないということです。
もし、GHS長野校での面談を希望されるならば、より具体的なお話ができるでしょうが、公開ブログではさすがにここまでです。
医学部への憧れ、医者になる夢、とても結構なことです。でも、淡い夢ならこの現実の壁を突破することはできません。淡い夢でしかないなら、持たない方が賢明です。
GHSには確立した教育メソッドはありますが、それとて、魔法のように夢を叶えることはできません。レースを走るのは、本人です。走りきる根性と、本物の情熱と、楽な方に妥協しないストイックさと、走り続ける体力・気力。そう、スポーツと同じと思ってもらっていいと思います。医学部受験とは、地方予選レベルではなく、全国大会で戦うということです。医学部定員は、1万人にも満たない狭き門です。そこに挑むには、それ相当の覚悟と、支えと、努力が必須です。
でも、スポーツと違って、受験界は、都会と地方とで指導者・コーチの格差が厳然とあります。全国大会や甲子園等で実績のある監督やコーチを招聘することは実際に行われていますが、地方の予備校にいわゆる有名講師は来てくれません。生活の面と報酬の面両方あります。
高いレベルの学力へと導く実力を持つ講師は、地方にはそうそういないものです。10数年前に私が住みついた、愛すべき長野のこの地で、その「支え」になるべく、GHS長野校を立ち上げて、五年目となりました。