難関大・医学部は’10%’ は不変の真理
駿台-ベネッセさんの入試サイトでは、他と違って得点分布をグラフにしてくれるのでありがたいですね。平均とかボーダーの数値だけではみえないことが分かります。(・・・でも、グラフだけで分析は無いんですが・・・)
確かに、個々の科目での難易度へのばらつきへの批判はあるにせよ、共通テスト「三年目の正直」というべきしょう。うまいことに、平均点・・・・・・を挟んで上・下とも2021と2022の中間に来ています。だから、総合点での分布具合は「一応の成功」といってあげて(たまには、少しは褒めても)もいいのでは?と思います。
さて、その中で、難関大・医学部志望者が目指すべき得点率は80%程です。(昔のセンター試験の頃は85%でしたがセンター試験の晩期から難化して下がりました)80%・・・・・・以上の得点率の上位層は昨年よりは増加しています。
その要因は、明らかで、昨年社会問題レベルとなった数学の平均点が数学200点満点中、42点ほど上がったことにあります。
平均付近では+42点ですが、上位層では上に行くほど伸びしろが小さくなりますから、80%付近で30点、85%付近で20点くらいでしょう。(前年度のデータがある生徒達からの概算)
前稿で示したように、生物は上位層がかなり削られているので、生物選択者は10-15点下がっていて(得点調整前)、かつ化学も少しばかり下がっており、また物理は昨年と変わらず高得点が取れる問題セットなので上位層の得点は頭打ちで、結局は、数学と差し引きで、総合点で10点前後のアップにとどまるのではないでしょうか。
それでも、河合塾発表のデータによれば,得点率80%以上の人数が昨年の1.96倍、つまり倍増だそうです。また、東大・京大等の難関大の理系学部では、80%が最低受験資格ですから超えてくるのは当たり前ですし、旧帝大および東医歯とか千葉とか横市とかの難関医学部では、85%でも安心できないわけですから、80%を越えたといっても喜べないはわけですが・・・。
検証・・・ボーダラインとの一致
この点については、地方の国立医学部のボーダー得点率を見るとわかりやすいものです。合格率60%ボーダーラインでは得点率79%ほどで、昨年より10点程度のアップのようです。だから、700点(77%)前後なら、定員のほんの少しの位置にいるわけですが、二次試験の実力を蓄えていれば十分逆転もできるわけです。
・・・ということで、科目間の問題は別で議論することとして、とにかく、医学部への道を確保したいなら、
どういう得点の仕方でもいいから、そしてどんなに科目間の難易度のバラツキがあろうとも、80%を超える実力をつける
これを第一義にこれからの一年を過ごすことです。もちろん、80%はボーダーですから「最低受験資格」です。余力を持って超えたいものです。
先般の、理科の「得点調整」の発表というのは、「科目間での難易度のコントロールができていなくてすみません」という大学入試センターの敗北宣言であり、謝罪なのです。(真っ当な組織なら謝罪会見と始末書かつ減給ものでしょうが・・・)
ゆめゆめ、来年度は「反動」で難易が逆転したりしないように、要するに、各方面からやいやい言われないように、しっかりと難易度調整という仕事もキッチリやってほしいものです。