GHS長野校・主宰の天野です。
先日、首都圏某所の行きつけのワインバーで飲み友達になった人があって、
灘高から現役で東大工学部へ、そして現在誰もが知る有名企業の参与?とかいう役職の方である。
こちらが受験にも関わっているということに興味津々で、話のつれづれに、
卒生でないとわからない灘高の中の様子などを聞くことができた。
これから中高一貫校に、内部進学ではなく一般受験かつ難関受験目的でご子息を通わせたい・・・
とお考えのご父兄にとって、参考になりそうな話を少々ご紹介したい。
前回は、「先取り教育に耐える学力のある生徒」が必要条件である旨を説いたが、それでは十分ではない。
学校選びで大切なのは、「指導者の質」である。
実は、灘高の教師は、その多くは灘高の卒業生なのだそうだ。
もちろん、おシャレな都市・神戸にあるから、そういう人材が戻って来て住み着くことには抵抗はない。
果たしてそういう人材がそこに住んで居るのか? これが第一の問題である。
かの私立有名進学校の鹿児島ラサール卒生が言っていたが、その点で灘高に後塵を拝することになる、と。
だから、テストテストで追いまくる詰め込みばかりになる。これなら教師の実力はさほど必要ないからだ。
人材の潤沢な灘高校では、学年ごとに受験必要科目の教師でつくるチームがあり、
それが6年間ずっと持ち上がり、東大をはじめとする各所に送り出すまで、責任をもって指導するのだという。
つまり、中学から東大レベルまで指導できる人材が、主要科目で最低各1人として、
理社を合わせると5-6人くらいのチームを作り(その他の教科は必ずしも固定ではないそうだが)、
各学年ごとに、東大進学率を競い合うわけであり、もともと優秀な生徒をあつめているのだから、
「この学年は東大は少なかったてです・・・・」などという言い訳ができない状況で、
教師チームもそのプライドにかけて、互いに切磋琢磨するわけである。
すると、最低でも6学年で、約30人もの「東大レベルの指導ができる教師」を確保せねばならない。
もちろん、灘高卒生で固めれば、それは十分可能である・・・・とのこと。
これで何がいいたいか?といえば、普通の高校では、地方と都市部とにかかわらず、
このような指導スタッフを揃えることはまず不可能である、ということだ。
それができるのは予備校しかない。教員免許とは関係なく、学力と指導力の実力で勝負する予備校講師だからこそ、
そういうスタッフが揃えられるのである。
事実、ある中高一貫校は、スタート時の学年にその中でも「デキる教師」を固めてしまったために、
それ以外の5学年は、生徒の間からは「ハズレの学年」となどと囁かれる始末
(と卒生にして大変苦労して医学部に進学した生徒、語る)。
これが現実である。だから、ご父兄がもし、中高一貫校に通わせて難関進学を望むなら、
「高校入試がない」というのを逆手にとって
せめて中学三年くらいから、大学進学を見据えた指導をしてくれる予備校なり塾なりに、
手間暇と費用をかけて通わせるしかないのが現実である。
ちなみに、当然ながら、灘高生は、塾通いしているものの方が圧倒的に少ないそうだ。
なまじっか、塾に金をかけて行かなくても、高校教師のレベルの方が高いので不要、だと。
当たり前のことをいうようだが、
「甲子園に行きたければ、甲子園に行った経験がある、ないしは連れて行った実績のある」監督に
指導をお願いするのが近道である。
同様に、「東大や医学部に行きたければ・・・・」である。
その受け皿としてGHS長野校はある。これだけの実力講師を高校の教員として揃えられる高校はまずない。
予備校だから揃えられる、その矛盾した逆転現象は社会制度としては宜しきことではないが、これもまた、現実である。