国立大学が入試科目を増やす傾向にある.
前回述べた後期日程廃止と同様で,
受験生が特定の少数科目しか勉強してこないことの弊害を
大学側が認識してきたということであろう.
大手企業に勤務していた大学時代の友人が
次のように言ったことがある.
「僕の部下は,一流大学出身者がズラリ揃っているのだが,
有名私立受験高校から早稲田や慶応に入っている連中は,
受験科目以外の教養がゴッソリ抜けていてあきれるよ.」
大学に入ることだけが目標という教育をされてしまうと
社会に出てから軽蔑されることになる.
理系進学者であっても,多少の文学的素養や,
中学レベルの社会(地理,歴史,公民)の知識を持っているべきだし,
文系進学者であっても,中学レベルの理科や,
数1A2B程度の数学の実力があっていい.
文系科目の得意な理系出身者,
理系科目の得意な文系出身者であってほしい.
その意味は社会に出たあとに身にしみてわかるはずである.