以前中高一貫校の教師をしていた頃から今日まで

実に多くの生徒を見てきたことになる.

学校でクラス担任になると

単に自分の科目の指導にとどまるのではなく

生徒の人格と丸ごと付き合うことになり

それは生徒の家庭にかなり深く入り込むことにもなる.

GHSのような本当の少人数制予備校でも同じである.

つまり,私は実に多くの親・家庭を見てきたことになる.

そうなると当然に,

どういう親にはどういう子供が育つものなのか

という,いわば“平均値”が頭に入っているわけである.

一つ言える事は

子供を信頼していない

あるいは

子供を信頼しているということを子供に示せていない親は

だいたい子育てに失敗しているということである.

子育てに熱心で,何かと世話を焼く親がいる.

それを子に対する愛情と思っている.

しかし,それが

子供を信頼していないということを子供本人に突きつけることになるということを

理解できていない.

親に信頼されていないと感じる子供の切なさを

理解できていない.

賢い親は,子供を人一倍心配しながら

それを子供に対してはおくびにも出さないものである.

残念ながら

そういう賢明な親が昔より減ってきているということは

近年とみに感じるところである.