頭は良い方が良いと思う人が多いだろう。

そのときの「頭が良い」とは

どういうイメージだろうか?

親たちが一生懸命子供をいい大学に入れようとするのは

ほぼ同じ発想だろうと思う。

頭の良い子に育てたいと思うのは親心であろう。

数学ができたり、

英語がペラペラだったり、

若くして司法試験に受かったり・・・

そういう人を憧憬のまなざしで見るときも

同じイメージではないだろうか。

かつての“ホリエモン”に対しても、

善悪判断とは別に

経済の仕組みや動きを熟知してうまく泳ぎ

資産を増やしていく姿に

「頭が良いね」という評価をしていた人は

多かったはずである。

そこへ行くと、アメリカの大学の経済学部や

いわゆるビジネススクールなどはもっと直截的である。

臆面もなく金儲けのためのお勉強を

一生懸命させているところであるから

世間的に“頭の良い”卒業生が

次々と金融界に入っていって大活躍しているわけである。

1980年代後半、「頭の悪い」日本人はバブル経済に踊って

多くの資産を欧米に持ち去られてしまった。

ところが、どうだろう?

今回のアメリカ発、サブプライム問題。

アメリカ、イギリス、ドイツ等々の金融機関が

アメリカの不動産バブルの被害をこうむって

大きな欠損を出している。

「経済を熟知した、頭のいい」金融マンが揃い踏みの

インテリ集団であるはずなのに。

それで思い出したが、

何年か前、

ノーベル経済学賞の学者たちを何人か抱え込んでいた

LTCMという投資ファンドが

投資に失敗して倒産したことがあった。

さて、そろそろ「頭が良いとは何か」を

じっくり考え直してもいい時期にきているのではないだろうか。