私より4歳上の知り合いが、少しのブランクがあって

先日専門学校の教壇に立ったという。

感想を聞いてみると、一番気になったのが

生徒の反応の悪さだという。

数年前の生徒達に比べて

どうも表情が読めないのだという。

これは、教師をしているものならば誰もが近年感じていることであろう。

私は大手予備校の教壇にも立っているが

教壇からは生徒の心が読めなくなっている。

面白かったらそれなりの表情が

不満だったら不満なりの表情がかつてはあったのだが

今は表情が緩むという表情さえお目にかからない。

何か、“笑い”がないのだ。

真剣に勉強に来ているのだから当然ではないか!

との反論もあろうが、

昔の受験生も真剣さでは今と変わらないのである。

しかし、もっと余裕のある豊かな表情があった。

今は明らかに違う。

要は何か余裕がないのである。

おそらく、家庭によい意味の余裕、笑いがないのではないかと思う。

最近連続している事件を見ていると

どうもその家庭に“笑い”がなかったような気がしてならない。

笑いもなく、子供に「勉強したの?」を繰り返す家庭があるとすれば

子供がおかしくならない方が不思議であろう。