受験生には悩み多き季節になったと、前回書いた。

勉強しているのに思うように成績が伸びない

といった現実に直面するのがこの時期だからである。

ならば、悩みだすのは当然であろう。

しかし、「悩むことと」と「分析すること」とは

別なのである。

何が違うかというと、前者には感情が伴うという点である。

しかも、マイナスの感情が。

「どうして成績が伸びないのか」という疑問の中に

「俺はだめだなあ、友達は伸びてるのになあ」

「このまま行ったら入試はどうなってしまうのだろう」

といった感情がたっぷりと入っているのである。

これがいけないのである。

運動すれば肉体が疲れるように

考えれば脳細胞だって疲れる。

上記のような感情も脳細胞の仕事であるから、

こういう感情を持ち続けると

どんどん脳細胞が疲れていく。

この感情には休みがない。

寝ても覚めても脳細胞を酷使し続ける。

脳細胞はへとへとである。

疲れた脳細胞で考え続ければ、

疲れた結論(後ろ向きの結論)しか出てこないのは当然で、

マイナス感情がますます増殖し、

脳細胞はますます疲労し・・・、

といった悪循環・マイナススパイラルを転げ落ちていくことになる。

これが悲劇であり、ある意味喜劇なのである。

今落ち込んでいる人がいたら、

悩むことをすぐにやめるべきである。

「そう簡単にできれば苦労はしないよ」

との声が聞こえてきそうであるが、

方法はただひとつ、信頼できる人に話すことである。

他人に考えてもらうことである。

自分の悩みは自分にしか分からないという面もあるだろうが

自分で正しい結論を出せるほど

自分が実力を持っていないということも

素直に認めるべきなのだ。

それを認めて一歩足を踏み出せるかどうかが

プラススパイラルに転じることができるかどうかの

分かれ目であろう。