育文社の山田社長が
『予備校 不屈の教育者』という書を上梓された。
日本に予備校が成立してから現在までの歴史を
さまざまなエピソードを交えた裏面史としてつづったものである。
そこには本当の真心をもって
人づくりに人生を注ぎ込んだ真の教育者が
何人も登場する。
世間的には無名の人ばかりだが
こういう人々に社会は支えられてきたのだなと
心が熱くなるものがある。
600ページを越える大書で
しかも、注文販売形式をとるようであるから
なかなか多くの人に読んでもらえないであろうが、
そうした人々の記録が残ったことが
何にも変えがたい価値である。
教育の原点に返るよい機会を与えてくれる。
教育に携わる人は少しずつでもよいから
是非に読んでほしいと願う。
時代的な背景もあり、
もはやわれわれはここに登場する人物ほど
偉大たりえないとしても
こうした姿勢を持った教育者が
日本中に溢れるならば
どんなにか素晴らしい国になるだろうと
夢想しているところである。