勉強というものは積み重ねである。

大学受験の学力は中学の学力を前提とし、

中学の学力は小学校の学力を前提としている。

やはり、学力というものはその年齢の時に

その年齢でやるべきことをやってきていることが

何よりも大きい。

それは紙の上の勉強の問題だけをさしているのではない。

自然とのふれあい、社会関係の豊かさを含めてである。

前提ができていない過去を過ごしてしまったツケは

思う以上に大きい。

しかも、これが本人や親にはなかなか見えないものなのである。

そこに教師のひとつの苦労と、人知れぬ悩みとがある。

日食や月食のメカニズムを知らない受験生が少なからずいるし、

資本主義を封建制との関連で理解できていない。

前提的教養がないのだから、英語が読めないのは

蓋し、当たり前の理屈である。

高校までに身に付ける教養の量の大きさは

大学受験の合否に決定的な要因となる。

受験に頑張る前に、

受験の前提の準備を

充分にこなしてきてほしいものである。

受験勉強の楽しさは

そこから先にあるのであるから。