人間が落ち込んでいるときはたいてい一人である。
落ち込んだから一人になっているとも言えるが
一人でいるとますます落ち込むものである。
人間は一人でいてはいけない。
生物の本性に反するのである。
人間は家族といたり、仲間といたり、
地域社会として生活したりしていなければ
おかしくなっていくのである。
残念ながら、近代、現代と時代が下るに従って
大家族が核家族になり、
子供部屋が隔離され、一人っ子が多くなり、
独身者が増え、孤独が美徳視され・・・
という傾向が生まれてしまった。
プライバシーという概念が独り歩きしてしまったのである。
しかしそれにつれて心を病み
神経を病んでいく人々が増えていったのも
まぎれもない事実であろう。
だから悩みを持ち、落ち込んでいる人は
まず、人に近づくことである。
それですべてが解決するとは言わないまでも
解決の後押しをしてくれることは間違いない。
もちろん人を選ばなければならないが
なごむ人、ほっとする人、面白い人
元気な人、刺激的な人、・・・
そういう人を見つけることである。
それが集団ならばもっとよい。
大震災の被災者たちもいろいろな人とのつながりがあるからこそ
あの想像を絶する悲しみと苦しみを越えて
頑張っているに違いないのである。