受験生にとっては苦しい時を迎えているはずである。

人生、楽しいばかりで生きていけるはずもないもので

苦しさを乗り越える練習もしておかなければならない。

受験勉強は人生の予行演習でもあるのだ。

苦しいとき、思い通りにいかないとき、

どうしても陥ってしまう過ちがある。

それは自分を責めることである。

無理からぬことではある。

何か問題が起こったとき、

人間はその原因を探ろうとする知性を持っている。

そうするとどうしても自分に原因を求め勝ちなのである。

まじめな性格の人ほどそうである。

しかし、ここが神経症の出発点である。

発想を変えなければならない。

原因というものはひとつだけではない。

全部直さなければうまくいかないということもない。

何かひとつ改善すればそれだけ上向くことも多いのだ。

仮に自分に問題があったとしても

それは人間みんな共通に持っている問題である。

少しずつ成長していけばよい。

決して自分を責めてはならないのである。

逆に調子が良すぎる時は多少自分を戒めたほうが良い。

物事には悩んでよいことと

悩んでも意味のないことと

悩んではならないこととがある。

自分を責めるというのは最後の例である。

そういう練習を若いうちに予行演習していくとよいだろう。