イタリア料理の達人のテレビをやっていた。
その先生に習おうと20人ほどのスタッフが
そのレストランで働いている。
先生のあだ名は「ターボ付き瞬間湯沸かし器」だという。
料理の場では容赦ない叱責、罵声が飛ぶ。
その怒声に耐えて頑張るのは
それぞれが自らの店を持ちたいという夢があるからである。
達人は言う。
「私の仕事は人材育成です。
私たちの時代は親や先生が怖かったが、
今はそういう環境がない。
だからこそこういう学びの場が必要なのです。」
シェフを志す者にも必ずホール(接客)の仕事をやらせて
客の気持ちや接客担当の気持ちを学ばせるという。
スタッフの一人は
この店に来てはじめてしっかり挨拶ができるようになったと語る。
この店は見事な学校であると感心した。
しかし、その最大の条件は本人が夢、志を持っていることである。
志があるからこそ、
困難に耐え、壁を乗り越えて成長していけるのである。
教育改革は細かな制度をいじることではなく、
夢を、志を育てることに尽きる。
そうすれば自ずと細かな問題は解決されていくはずである。
社会の閉塞感の打破は
若者に夢と志を与えることにこそある。
人間は認識的実在である。
夢と志こそが社会に最も大きな前進をもたらすものである。