今朝の毎日新聞に

「落ちこぼさない」と題して

算数の『水道方式』を継いでいる私塾が取り上げられていた。

『水道方式』というのは

数学者の故遠山啓が生みだした教育方法として知られる。

遠山啓は

自分の娘の数学の授業を参観して

その指導のあまりの酷さに呆れ

自ら子供たちの数学教育に後半生を捧げた著名な数学者である。

しかし、今では彼の名前を知る人は

大変少なくなっているようである。

私も中学時代にブルーバックスの『新数学勉強法』

高校時代か、浪人時代に

岩波新書の『数学の学び方・教え方』を読んだ程度の知識しかないのであるが、

今回の記事を読んで、

それまでまかり通っている悪しき教育法と戦って

本当の学力を子供たちにつけるために孤軍奮闘したその姿に

改めて敬意をいだいた次第である。

孤軍奮闘というのは

古い誤った常識を打ち破っていくということが

必然的に孤軍奮闘になるからである。

頭の固い文部省が様々なかたちで圧力をかけてくる。

またそれに毒された社会全体の意識を変えるということは

並大抵の困難ではなかったということである。

興味のある向きはぜひ一度遠山啓を調べてみてほしい。

彼ほどえらくはないが

GHSも間違った学習に対するアンチテーゼとして

「本当の学力」をつける学習理念を

開校以来様々なかたちで発信してきている。

年内には出せると思うが

市川先生の『漢文解析』もそのひとつである。

いずれまた詳しく紹介するつもりであるが、

教育は国家百年の計である。

とにかく有為な人材を世に送り出し続けたい。