言うまでもなく、受験は競争である。
なぜ、競争するのだろうか?
競争は必要なのだろうか?
必要なのである。
人間は競争でしか、まともな人間になれないからである。
人間として生きていくに必要な知恵、資質、理性は
生まれつき持っているものではないし、
だまって身についていくものではない。
ただ教えられただけで身につくものでもない。
身についたと思っているだけだったり
偽物に過ぎなかったり—。
ワールドカップは良い教訓を与えてくれたのではないだろうか。
競争してみてはじめて自分たちの未熟さ
もっと言えば、偽物さ加減がわかるのである。
上には上がいること
頑張っている自分は
まだまだ頑張ってなんかいないんだということを教えてくれ、
視野の狭さを指摘してくれるのである。
競争の相手は人であり、
競争の場は社会であり、
社会での経験が
ヒトを人間に
子供を大人にしていくのである。
私事で恐縮であるが、
今日は私の母の一周忌である。
母が残してくれた様々な知恵や教訓を思い出すたびに、
戦争を含んだ厳しい時代に
しっかりと社会の荒波にもまれながら生き抜いた母親たちの世代の本物さが
改めて偲ばれることである。