最近時々思うことがあるのは

子育てが下手な親が増えているなあ、ということである。

幼児虐待という

ニュース報道で出てくるとんでもない親に

われわれ皆が驚き、憤慨するのだが、

そういう親が突然変異的に

つまり

時代的社会から無関係に出てくるわけではないことを

見落としてはなるまい。

子供の扱いが下手な多数の親がいて

その延長線上にとんでもない親がいるのである。

社会全体の責任をこそ自覚すべきであろう。

20年以上前に私は神奈川の桐蔭学園で教員をやっていたのであるが

5年間、中学と高校の2クラスを持ちあがりで担任したので、

親とはかなり密に接した。

今思い返しても子育てのうまい親が多かった。

過度に干渉せず、しかし背後ではしっかり見守っている。

子供に発する言葉がどういう影響を与えるか

しっかり咀嚼する慎重さを持ち合わせていた。

要は子供の人格を尊重しながら接していたのである。

今はやたらに子供に直接的な言葉を発する親が多い。

子供を見ていて歯がゆいのであろう、

目の前しか見ず、「ああしろ、こうしろ」と騒ぐ。

果ては、「自分はこうだった」と自慢して見せる。

ただ自分の感情を、感情のままに吐き出す母親も多い。

これも前々回に述べた「自意識」である。

子供より自分の感情が大事なのである。

要は日本の大人が幼くなってきたということであろうか。

私の見立てが間違っていることを願いたいのだが・・・。