先日旧い知合いから
もう退院したのかとのメールがあったので、
「もう普通に生活しています。まだ痛みはありますが・・。」
と送ったら、
「そうですか、まだ退院できないんですね。お大事に。」と返ってきた。
私の日本語がまずいのかと、何人かに確かめたことである。
もちろん、今回は相手が忙しくて早とちりしたのかもしれないのだが、
このところ、文章を正しく読解てもらえないことが、
しかも大事なことにかかわって少なからず身の回りで起きていることが気になっている。
早とちりの類ではなく、しっかりとしたやり取りの中で
誤解や曲解が起こって意思の疎通が達成できない。
言葉がしっかりと伝わるということが崩れたら、
社会が成り立たないであろう。
それほど言葉とは大事なものである。
最近は私自身文章を送るときには
確認のため誰かに一度読んでもらうことにしているほどである。
外国語の習得の前に、母国語をしっかり身につけ、
健全なコミュニケーションができる社会が成り立っていることがまず優先されるべきであろう。
私は立場上、どの政党を支持するということを言うことはないが
憲法に「陸海空軍その他の戦力はこれを保持しない」と明記されているのに、
首相が「わが軍は・・・」と発言して問題にならないとは、
政治的思想以前に
言語論理の問題としてゆゆしきことであろう。
誰もが認め、誰もがしたがう言語規範が成り立たない社会になることが
一番恐ろしい。
その国の土台が揺らぐことになる。
そういう問題意識を
安全保障の問題とは別に
社会が共有してほしいものである。