毎年この時期は
片や、前年度の生徒が大学進学で全国に散り、
片や、新しいGHS生が全国から集い自分の夢を実現するための歩みを始める。
浪人生が圧倒的に多いGHSの、総入れ替えの時期である。
と同時に
東京の大学に進学したGHS卒生が
チューターとして後輩の指導を担当してくれるので、
そこにGHSの連続性が維持される。
もう一つ、大学進学者たちが書いてくれる「合格体験記」が
先輩と後輩をつなぐ大切なタスキの一つになっているのかもしれない。
新しくGHSを訪ねてくる受験生と保護者の多くが、
GHS卒生の「合格体験記」の質の高さを語ってくれる。
パンフレットで何かを語るよりも
「合格体験記」は生のGHSを覗いてみるのに最適な窓口となっているのであろう。
今年の卒業生もそれぞれに
GHSで何をこそ掴み取ったのかを
一歩踏み込んだ価値のレベルで書かいていた。
浪人の一年間で、この高い質なるものを獲得して大学へと進学していってくれたことに
塾長の私としては何よりもの快哉を送りたい。
2019年度の募集も3月上旬に締め切りとなった。
今年も多くの方々が
早い時期から丁寧に予備校探しをしておられ、
その熱心さがひしひしと伝わってきたことである。
そうした中で、今年、新しい特徴として感じられたことがある。
それは
浪人の一年で「人間的に成長したい」というところに価値を置いて
GHSを訪ねてくる受験生及び保護者がいつになく多かったということである。
予備校は大学に合格するためのものである。
極端に言えば、「合格さえさせてくれれば・・・」という予備校探しもありうる。
実際、「本物の実力」がつこうがつくまいが、
表面的なテクニックであっても、点の取り方さえ教えてくれればそれでよしという
予備校探しの時代があった。
しかし、入試とりわけ医学部入試が圧倒的に難化するに及んで、
本当の実力を付けないことには志望大学には合格しえないという現実を前に
「本当の実力」を付けてくれる予備校探しが始まり
いくつかの痛い経験を経ながら、あるいはその情報を共有しながら
GHSを見つけ出してくる方々が増えてきていたのが最近であった。
GHSが開校から「本当の実力」を謳い、
ぶれることなくその実績を積んできたことが、
ネット時代のおかげで全国に発信できるようになったからであろうか、
昨年は何と2月中に国立大学医学部コースが定員締め切りとなってしまったのである。
そして先輩たちの、「本当の実力」を学び取った幸運と至福が「合格体験記」にあふれているのを見て
そこに視点を当てて、それを求めてGHSを訪ねてくる健全な循環がこのところ続いていたことである。
しかし、「本当の実力」とは決して学力だけの問題ではない。
学力は人格と切り離せないものであるから、
「本当の実力」を付けるためには人間として成長することを伴わないわけにはいかない。
おそらく、GHS卒業生の「合格体験記」の中に、学力の成長とともに人間としての成長、子供の認識ではなく大人の認識への成長を感じ取ったのではないだろうか。
今年は、
その人間としての成長に対してこそかけがえのない価値を見出して
その人間的な成長に照準を合わせてGHSを探し当て訪ねてくるのである。
もちろん、大学合格をさておいた人間的な成長などお門違いである。
ただ、これだけ大学入試が難しくなると
広い視野、深い考察力、一つ一つ解きほぐしていく精緻さ、
それに伴う忍耐力、主観を排して対象を客観的に見る心構え、
自分の感情を抑えて相手の考えに同化する寛容さ
・・・・・等々
の養成が高度な学力向上の必要条件になってくるところに
受験勉強の重要な意義がある。
その肝心な点、受験勉強の本質に思いを致すに至った受験生および保護者が
着実に増えてきていることを感じた今年の募集活動だったということなのである。
もちろん、それはGHSの望むところであり、
このレベルでのそうした共感の輪が広がることこそ
GHSの開校当初からの志向であり、願いである。
そうして集まってきた今年の新GHS生のこれからの成長が楽しみである。
新年度、また至福の一年がスタートした。