毎年この時期は
GHSの実力テストの結果を受けて全員の個別面談を行う。
春からこれまでのあり方を検討し、今後の方向性を助言するためである。
面談の中で一番多く聞くのは
「今年は勉強していて楽しい」という声である。
今年二浪目でGHSに来たある生徒は
「去年はとにかく勉強が苦しくて、特に後半はメンタルがやられてました。」
と吐露する。
多くの生徒からいろいろな情報を聞くと
分からせようとしていない指導、
分かっていないことをただ繰り返させる指導が
まだまだまかり通っているようである。
化学は「〇〇問題集」を3周、数学は「〇〇参考書」を2周
というような作業を“勉強”だと思っている受験生がまだまだいるようである。
こういう教育(?)が平気で行われているこの国は一体どうなってしまうのだろう?
と私は心配になる。
そもそも勉強とは“分かる”ことであり、
「分かりたい」という渇望があって
「分かった!」という喜びを得ることであるのに・・・。
「分からなくてもいいよ、合格さえすれば」を
「背に腹は代えられない」との弁解とともに許容していく大人たちが
長期的にこの国を衰退させていくのだろう。
GHSの保護者の方には
「合格はもちろん大事ですが、
それ以上に、子供に勉強の楽しさを味わってほしい。
受験勉強を通して人間的に成長してほしい。」と
おっしゃる方が多い。
幸い、近年入試問題が難しくなる傾向になってきて
分かっていないと問題が解けないという当たり前が戻りつつあるのは
明るい材料である。
ただ実は“分かる”というのは一律ではない。
“分かる”にはレベルがあり、過程があり、種類があり、濃さがある。
それに応じて教え方も違ってくる。
“分かる”というのは深い世界なのである。
だからこそ、“分かる”ということが面白いのであり、
教えることが面白いのである。
その面白さをいわば“競い合う”受験勉強、受験指導であるべきではないか。
ともあれ、まずはGHSでそれを実践し続けていくことにしよう。
いずれ再生日本のスタンダードになることを目指して!