今年のGHSはこの数年間と雰囲気ががらりと打って変わった。
みな和気あいあいでよく話をする。
授業の反応も表情や声が自然にはじける。
逆にここ数年間は生徒間に会話がほとんどなかったのだ。
授業中も生徒は〝無表情〟と言ってもよいほど静かであった。
理由の第一は言うまでもなくコロナである。
皆マスクをし「なるだけ話をしないように」という空気が全国的にあったのだから
当然のことではある。
しかし、コロナが始まる一年前からその兆候があった。
昼休みみんなが教室で隣り合わせてお弁当を食べているのだが、
一切口を利かない。
それ以前は何人か楽しそうに話をする光景があちこちに見られたのである。
それが一人とて話をしていないという様子で
珍しいなあ、と思って見ていたのだが、
翌年からコロナになってそれがいっそう徹底し定着していった。
コロナが終わった去年もほとんど会話がなかった。
ところが今年はオリエンテーションの日から
とくに女子生徒がぱあっと仲良くなった。
若い女の子たちの
ごく自然なエネルギッシュで無邪気な明るい会話がはじまっていた。
何しろ本来「箸が転んでもおかしい」年ごろである。
学習に差しさわりがない限り、会話の弾みはよいであろう。
若者たちが明るく元気であるというのはよいことである。
こちらも元気をもらう。
もっとも自習室を一切会話厳禁の場所としてある。
GHSは浪人生中心の予備校であるから、
毎年毎年メンバーがほぼ総取り換えになる面白さ(?)がある。
去年とは別の予備校かと思わせるほどの変化がある。
我々はそれぞれの雰囲気をうまく利用して
それを学習効果につなげる方策を練ることになる。
それもまた楽しからずや、である。
ただ基本的にGHSの生徒はみな育ちの良さを感じさせ
真面目で自分の目標に素直である点は毎年変わりがない。
学力の方も今年は去年よりさらに楽しみかもしれない。
いずれにせよ、学ぶことのワクワク感を味わえるのがGHSである。
そのワクワク感に基礎を置いた彼ら彼女らの
明るい若さを続けていってほしいものである。