首都圏での若者による連続強盗事件がさかんに報道されている。
例によって指示役に操られての闇バイトのようである。
困ったものである。
しかし「困ったものだ」と
いつの時代にもある、一部の若者による犯罪に眉をひそめて終わり、
ともいかない何かがあるように感じられてならない。
こうした犯罪を起こす若者たちの経済的苦境も問題である。
しかし、それにしても何か気になることがある。
まず
なぜこれほどに愚かなのだろう?
闇バイトはもうだいぶ前から問題になっていて
メディアでもさかんに取り上げられてきた。
そうした情報を彼らは得ていないのであろうか。
その意味を理解できていないのであろうか。
前科が付くことの意味を分かっていないのだろうか。
今は防犯カメラで一部始終が撮られ、公開もされる。
それをどう考えているのだろうか。
また
映像を見ると実行役の多くが華奢でひ弱な体をしている。
被害にあった店主に見つけられ簡単に押さえ込まれている。
それ自体は「めでたしめでたし」なのであるが、
二十代のいい若者がこんなにひ弱でよいのか、という疑問も浮かぶ。

何を言いたいのかというと、こうした犯罪に手を染める若者たちは
若いうちに自分の知性と体力を鍛えておこう!という健全な向上心を持っているように思えない、
そのことが気になるということなのである。
それは犯罪者たちだけの問題ではなく
もっと広く、今の日本社会というベースの問題だと思えるからである。
電車に乗れば若者が空席目指して我さきに座ろうとする。
我々の時代はガラガラの電車でも座らない者が少なからずいた。
「若いうちに体を鍛えなければ!」という信念にも似た思いがあったからである。
だから柔道や空手といった格闘技も盛んであった。
みんな(この表現はまあレトリックであるが)自分を鍛えようという意識が高かったのである。

先日オリンピックを見ていたら
日本よりフランスの方が柔道人口が何倍も多いという。
総人口は日本の2/3でしかない。
しつけや礼儀を身に付けさせる意味で柔道をやらせる親も多いという。
いずれにしても
若いうちに身に付けるべきことは何かという意識が
今の日本では低下しているではないか、
それが気になるのである。
それは今回のような犯罪が多いことにも通じる
何か社会全体の根底の問題だと思うからである。

私自身GHSが居心地よいと思うのは
自分を向上させようという若者たちに囲まれているからである。
もちろんこれは大学合格を目指す受験生すべてに言えることであるが、
とりわけ、
「成績という表面的なものでなく、学力そのものを向上させよう!
それが結果としては最難関大学に合格する本当の道なのだ!」
というGHSの主旨に賛同して全国からやってきた若者の集まりだからである。
若者は若いうちだからこそ
知力、体力、社会性を鍛え育てなければならない。
それをもう一度日本社会全体の共通認識へと鍛え育て上げなければならないのではないか。
悲しく虚しい犯罪報道を見て強く感じたことである。