さて、いよいよ国立大学の二次試験が近づいてきた。
東大が一次試験の定員を減らし、
新聞でも受験生減少を話題にしていた。
東大だけに限らないが、国立大学の二次試験の採点はたいへんである。
記述・論述の試験であるから、
受験生の答案を公平にかつ微妙に点差を付けていく作業は
想像するだけで頭が下がる。
しかも、東大と京大は理系にも国語を課す。
かつて私の恩師である教授が語っておられたが
入試の出題・採点の担当に当たった教官は
たいへんな一年になるとのこと。
二次試験の受験者数を絞って
その分本当に受験生の答案を丁寧に見ようという姿勢は
評価されるべきであろう。
一方、私大医学部の入試は峠を越しつつあるのだが、
今年(も)奇異なことが起こっている。
国立大学を第1志望にしている生徒の中に
数校受けた私大が不合格でありながら、
東京慈恵会医科大学の一次に合格した生徒が2人も出たのである。
偏差値的には東京慈恵会医科大学がずぬけて高い。
そしてその二人はしっかりした実力を持っているので
一次通過は何の不思議もない。
不思議なのは彼らがより易しい私大医学部に不合格となったことである。
こういう現象は彼らだけでなく、ほかにも大勢いることだろうと思う。
一体私大医学部の入試問題、入試形式は今のままでよいのか。
有望な受験生を逃してしまっていないか。
私大医学部入試が必ずしも実力を計れていないという現実を
もう少しまじめに捉えるべきではないか。