もう7月である。
日が長く、入試の季節はまだだいぶ先である(と思ってしまう)だけに、
受験生の心もまだ穏やかで、人によっては緩んでさえいることだろう。

GHSは今年は例年に比べ基礎力不足の生徒がやや多目で、
これは何とかせねば、ということで、
例年のカリキュラムに加えて、基礎力養成訓練の指導をしている状況である。

世間では参議院選挙が間近で
何かと切実な話題も多く
若者たちもいつもより関心が高いのではないかと感じている。
あるテレビ番組で、
外国人排斥につながる情報がネットに横行している問題が取り上げられていた。
「外国人の犯罪が増えている」「生活保護の給付金の3割が外国人に使われている」
といった情報がSNSで広がっているが、いずれも根拠のないものであることが力説されていた。
国や地域によって人間社会はそれぞれさまざまな文化を持っていて
違った文化で育ってきた者同士が円満に融和するということがなかなかむずかしい。
特に日本は島国で、ざっくり言えば単一の文化のなかで人々が生きているだけに
自分たちとは違う外国人の行動や考えへの驚きや嫌悪の感情はひとしきり強いのかも知れない。

今日も電車に乗っていると南アジア系の若者だと思うが二人仲良く談笑している。
車内はすいているとはいえ、横に隣り合って座るのではなく、
互いに反対の窓側の席に座って向かい合い、
少し距離があるから
乗客みんなに聞いてくれと言わんばかりに
大きな声で楽しそうに夢中で話をしている。
それは何ら法律に触れることをしているわけではないが、
やはり同乗している日本人は
そちらを見やったり、顔をしかめたり、ある人は遠くの席に移動したり・・・。
そうしたさりげない、ささいなことから、
外国人を遠ざける感情が芽生えていくのだろうと思う。

さて、
縄文人の世界に大陸から弥生人が入ってきたときはどうだったであろうか。
飛鳥時代に渡来人がたくさん入ってきたときはどうだったであろうか。
戦国時代に南蛮人が入ってきたときにはどうだったであろうか。
明治時代に欧米人が入ってきたときにはどうだったであろうか。
戦後アメリカに占領されたときはどうだったであろうか。
単なる排斥ではない、
何かしらの知恵を日本人の祖先たちは働かせて
今の日本の文化を築いてきたに違いない。