私の姪の子供(男)が今4歳である。

とにかくよくしゃべること、動き回ること、

大人の会話に聞き耳を立てること・・・。

外に向かっていくパワーの凄さに感心する。

考えてみれば、無理もあるまい。

少し前は、歩きたくても思うように歩けず、

しゃべりたくても言葉が出ず、

分かりたくても分かることができず、で

それはそれはストレス(?)が溜まっていたことだろう。

それができるようになったのであるから、

もう爆発的にしゃべり、動き回り、ものを分かろうとするのは

当然なのである。

もうとにかくうれしそうである。

このうれしさをどこにぶつけようか!という感じである。

ところでこれを、

「3,4歳の子供ってそうだよね。」

で終わらせるのはもったいない気がするのである。

体の大きさに対するエネルギー爆発量では

彼らにかなわぬにしても

大人でもやはり、

「渇き」が人間に大きなエネルギーを溜め込む

という点は同じではあるまいか。

「渇き」とは、自分にはないが、ほしくてたまらぬという感情である。

こんなに凄いものがある、こんなにすばらしい世界がある、

ということを教えることが教育の近道であるように思う。

そこに行くための材料をいくらお膳立てしても

「渇き」がなければ食べさせることはできない。

一番効果的な教育は

「あこがれ」という「渇き」を子供の心に生じさせることであろう。

これに成功すればこどもは、いやおとなも

ひとりでどんどん進んでいくものである。

生徒の成績の伸びを見ていて最近つくづく思うのは

「あこがれ」の強さこそが成績の伸びを決める最大の要素だということである。

3,4歳ころにはじまった「あこがれ」を

その後もその年齢に応じた内容で持続できている者は

心も頭も実に健康的であることは

長年の指導経験上間違いないところである。