新設大学の認可に文科省の大臣が反対して問題になっている。

今回の問題で一番印象部深いのは

凝り固まった現状を打破するというのは

本当に大変なことなのだという点である。

もちろん大臣の手続き、手順が悪いということはあるのだろうが

根本的な問題はこれだけ大学を増やして

定員割れの大学が数十%もあるという現状にもかかわらず

相も変わらず惰性的な認可処理をしている

文科省とのその取り巻き連中にこそ問題がある。

こうした文科省の役人たちの怠慢と省益優先という現状を

変えようにもいかんともしがたいというこの国の不幸がある。

大臣はそれを変えたかったのであろう。

これに関しては全く賛成である。

しかし、当事者はもとより

マスコミも目先の手続きだけを問題にして

困った大臣だという話題づくりである。

自民党もまた党利党益優先で

政権党に打撃を与える格好の材料を得たとばかりである。

申請した大学が被害者で、

さらには学生がかわいそうだという人質論調さえしてみせる。

認可がでる前に校舎が出来上がっているなどという

手続きこそがおかしいはずなのに

本質を見据えた議論には進まない。

これが今の日本の悲しさである。

文科省の役人も役人なら

マスコミもマスコミである。

事の本質を覆い隠して

大臣を吊るしあげているのである。

こういうレベルが日本のエリートなのだから

内憂外患のこの国を上から立て直すのはなかなか難しい。

せめてわれわれ一介の民衆が

こうしたマスコミに惑わされることなく

下からの底上げを図っていきたいものである。