たいへん残念なニュースが飛び込んできた。

名著『思考訓練の場としての英文解釈』の著者

多田正行先生が昨日(6月2日)逝去された。

哀悼この上なく、悲嘆の念に堪えない。

先日のブログでご報告したように、

入院中の多田先生を育文社の山田社長と訪ね、

伝説の先生にはじめてお会いでき感激した矢先であった。

あれが最初で最後の対面となってしまった。

英語という言語に、

それまで誰も明確に説かなかった視点で切り込み

その法則性を提示して見せたことが

多田先生の大きな功績である。

それは先生の卓抜した個人的才能によるところが大きく、

その才能のなせる業をわれわれ凡人が

学習を通して学び取ることができるようにしてくれたのである。

卓抜した才能の中でついに表現されることなく

先生の頭脳に残されたまま終わってしまったものが

まだたくさんあったはずである。

こういう稀有な才能からまだまだ多くを学ばせていただきたかった。

たいへんな宝が失われた思いである。

我々が町田に見舞いに訪れた後

郷里の徳島に車で移動し

帰郷を果たされた。

故郷の山々を眼にして大いに喜ばれたとのことである。

その経緯は先生の妹様が主催する介護施設「さわやか徳島」のHPで

紹介されており、

生前の多田先生のご様子も写真で拝見することができる。

ただただ無念である。

心より哀悼の意を奉ずるのみである。