昨日、育文社の山田社長のはからいで
今年6月に逝去された多田先生の偲ぶ会が催された。
京都で英語塾を開き、
高校生を京大医学部に多数進学させている
有名な先生も参加され、
楽しく、また有意義なひとときを持つことができた。
その先生は京都大学の哲学科出身で
ドイツ哲学を専攻されたとの事。
大学を出てすぐ予備校で英語の講師を始めたそうであるが
英文科を出たわけでもないのだから
はじめはたいへんだったのではないかとうかがうと
ドイツ語から英語を見ることができたから
分かりやすかったとのこと。
ドイツ哲学をやっていただけに
英語という言語およびそれにともなう文化の軽さに
満たされぬものを感じているという話などで盛り上がった。
丁度、会が催された場所が
「鴎外荘」といって
空襲を逃れて残った森鴎外の旧邸宅が旅館として運営されているところで
鴎外が「舞姫」を書いたまさにその部屋が会場であっただけに
話の弾み具合もひとしおであった。
我々の共感は
ゲーム遊びやパズル解きや言葉の暗記に毒される日本の若者たちへの憂いであり
彼らが教養、文化というレベルでこそ知性を豊かにしてほしいという願いであった。
今回我々GHSから5人の講師が参加し、
こうした関西で同じ志を持つ先生方と交流をもてたことは
大いに意義深いものであったと思う。
多田先生を中心に開花したかつての「オリオン」の知性が
「医大受験」で今全国に発信され
こうして東西の教育者が交流を持って力を合わせていけば
いずれ必ず大きな花が咲くはずである。