間もなく国立大学二次試験が始まる。

大学入試シーズン最大の山場ということになる。

なんとなく、今年の大学入試は静かに進行しているような気がする。

もしかすると、オリンピックと重なって

もっぱら、話題と関心がそちらに向いているからかも知れない。

受験生にとって入試というのは

相当の重圧がある。

当然その苦しさを訴え、自分の弱さを語ってくるのであるが、

こちらの慰め、勇気づけの手駒の一つがオリンピックである。

オリンピックの選手に比べたらまだ恵まれているだろう?、と。

人間の成長にはどうしても負荷が必要である。

肉体も負荷をかけないと鍛えられない。

精神も負荷をかけずに成長させることはできないのである。

若者にスポーツが必須である所以であろうし、

大学入試が若者に対して果たしている一つの機能でもあろう。

ただ、負荷をかけすぎれば肉体は骨折をするのと同様に

精神も折れてしまいかねない。

どの程度に、どのように負荷をかけ、

負荷がかかった時にどのように対処するか、

これをアドバイスするのが

大人の、指導的立場にある者の役目であろう。

若者の祭典であるオリンピックと

若者の試行である大学入試は

同時に

大人が反省し、大人が学ぶべき舞台でもある。