今年も一年が終わろうとしている。
受験界も波乱の一年であった。
「代ゼミショック」に代表される時代の変化
予備校内での傷害事件、
大学入試の変革の構想のお粗末さ。
特にこの入試改革案は具体像がないままに
理念だけが先走っている。
かつて無意味さが実証された論文、面接試験を
また復活させようとしている。
なぜこうも教育行政は不毛なのであろうか。
それはともあれ、
受験生はまだ一年が終わっていない。
3週間後にセンター試験が差し迫って
まさに追い込みの時期である。
センター試験は毎年さまざまなドラマが生まれる。
受験生が皆これに照準を合わせて競い合うのであるから
しかたあるまい。それが競争というものである。
文科省は年数回の試験に変えるというのであるが、
そのうち甲子園も年数回、
オリンピックも毎年行うべしとでも言い出すのであろうか。
毎日新聞に、あるフランス文学者がコラムを載せているのだが
この間の日曜日に掲載された「入試改革批判」が的を射て痛快であった。
要は、今回の改革が
知的渇望と一切無関係に動いていることの不毛さを
指摘したものであった。
今回の改革では中教審の部会長がかなりの権力を行使したようである。
組織上、制度上それは致し方ないことであるが
それだけに権力を持つ座長には
見識の高い人間を採用してほしいものである。
いつでも犠牲になるのは若者である。