漫画家の水木しげるさんが亡くなった。
「ゲゲゲの鬼太郎」は私が子供時代にテレビで放送していたから、
そのテーマ音楽とともに強く記憶に残っている。
しかし、それ以上に印象深いのは
片腕を失っていることに象徴される戦場体験である。
この世代が体験し味わった労苦というものは
今の世代には到底想像がつかない。
だからこそ語り継いでいくべきことである。
人間は身をもって味わわなければ
そのたいへんさを分かることはできない。
だから苦労を知らない者には感謝の心も出てこないのである。
しかし、人間は例外なく、他人から多くの恩恵を受けている。
他人の苦労、他人の努力のおかげで今の自分があるのであるが、
苦労していない者、努力していない者には
その他人の苦労と努力を理解できない。
最近は感謝のこころがとても薄くなっていることを
何かにつけて感じることが多い。
要は努力のレベル、頑張りのレベルが下がってきているのだ。
同じレベルで苦労し、努力していない者同士が
分かりあうことはできないのであるから
感謝の心が生まれるわけもないのであろう。
楽になればなるほど、心も薄くなり
努力のレベルが下がる悪循環が起こっていく。
より高みへのぼるためには
当然のことながら、より大きな努力が必要であり
苦労を重ねざるを得なくなる。
そうした人間同士がはじめて互いの努力に共感と感謝の心を持ち得るのであり
その合力が、そういう人間の集団がすごいものを生み出していくところに
人間の、人生の醍醐味がある。
GHSはそうした高みを維持していく集団であり続けたいと思っている。