先日8年前にGHSにいたOBのI君がわざわざ京都から訪ねて来てくれた。
大いに話が弾んだのだが、
彼の話の中にとても有意義なものがあったので紹介したい。
実はGHSに在籍していた当時、彼はメンタルの病を抱えていた。
定期的にかかりつけ医に通い、薬も処方して貰っていたほどである。
決して軽症とは言えない病状であった。
ところが今回それが完全に消えていて、実に明るく、健康である。
「どうやって治したんだい?」と問うと、
「『ものの見方考え方』を変えたら治ってしまったんです。」との答え。
GHSにいた受験生当時、彼は自分のことしか考えていなかったという。
「どうして周りの人は分かってくれないんだろう。」
「どうしてこうしてくれないんだろう」
とばかり考えていたという。
ところが、ある時、偶然書店で見つけた本を読んで、ハッと思った。
さらに、アメリカのある女優で、やはり精神的に病んでいたのだが、
自分のことはさておき、ただひたすら相手のことだけを考え、
他人に尽くすことだけをを実践していたら、
いつの間にか自分の問題が解決していたという人の話を知り、
これまでの自分の考えを捨てたのだという。
「とにかく相手のことを考え、
どうしてやることがこの人のためになるのか、だけを考えて実践していたら、
いつの間にか自分の問題も消えていたのです。」
実に良い話である。
現代は、「世のため、人のため」が無くなって、
「自分が得をしたい、自分が幸せになりたい、自分が楽をしたい・・・」
自分、自分、自分である。
結果として現代人は心を病んでいく。
そして病院に行けば病名を付けられ、
「病膏肓に入る」の悪循環である。
心の病は社会関係から始まる。
社会関係が断たれ、社会が見えなくなり、自分だけを見るようになったときに病んでいくのだ。
自分ではなく、他人を、
むしろ、他人のみを、他人の幸福のみを考え、行動していったときに
自然な健康が得られ、結果としての幸福がやってくるのである。
「世のため、人のため」という言葉があり、
「情けは人の為ならず」とのことわざがある。
昔の人は、そういう真理を、実地によく知っていたのだ。
まだまだ書きたいが、ブログはあまり長くなるべきでないので、
「羅針盤」でもう少し続きを書いてみようと思う。
しばらく書いてなかった「羅針盤」を書く動機づけをくれたI君に大いに感謝である。
最近「羅針盤」を書いていない私のことを慮って
今の彼らしく
「情け」をかけてくれたのかもしれない・・・。