先日,東京のある区の教育委員会が

統一テストの成績のよい学校に予算を多く振り分ける旨発表し,

抗議の電話が殺到して撤回するという茶番があった.

典型的な恥の上塗りであるが,

教育行政の上の連中がこれだけものが見えないと,

現場の人たちは本当に不幸で,気の毒である.

子供に勉強させたい親が,

「よい点を取ったら,お小遣い上げるからね」

と育てる愚かさと同じである.

物事のうわべだけしか見ることができない者は

何でも,カネやモノで釣ろうとする.

カネやモノで釣れば,

相手もそれに合わせた刹那的作戦でくるに決まっているではないか.

そして,いつの間にか,カネやモノが目的と化す.

つまり,また今までの失敗の繰り返しである.

子供に学力をつけるという本来の目的が見失われるのである.

子供が学力をつけていくとはどういうことなのか.

子供にどういう意志を育てて,どういうプロセスを踏ませるべきなのか・・・を

人間の本質,子供の本性から目を離さずしっかり把握して子供に接すること,

それだけなのだが・・・.

行政に期待してもしょうがない.

せめて,われわれ一般の大人が表面的な雑音に惑わされることなく,

もう一度人間としての本質に立ち返って

当たり前のことを,当たり前に実践しようではないか.