「天の将に大任をこの人に降さんとするや、

必ずまずその心志を苦しめ、

その筋骨を労せしめ、・・・」

入試の合否が判明する時期になってきた。

若いときに、一定の厳しい競争はやはり必要なのだと思う。

普段は目をそむけておく事のできる自分の足らざる面を

容赦なく突きつけられるからである。

単に、努力不足を批判されるにとどまらない。

能力や性格といった根本的な面にまでいたって

ダメだしを受けるのである。

つらいことである。

しかし、人間は、成長の過程のどこかで

つらさに耐える力を養わなければならない。

現実と向き合う勇気を獲得しなければならない。

今回、難なく合格した人は

自分の足らざるを知る機会が

先送りになったことをむしろ自戒しなければならない。

この時期、若者の顔に

笑みあり、苦渋ありであるが、

どちらにも未来への本質的な輝きがある。

それが若者の特権である。

若さにはすべてをプラスに変える力がある。

今回不本意に終わった諸君のこれからの頑張りに期待したい。

そして、この能力や性格といった根本的なものさえ、

正しい努力によって向上、改善できることを

再度の挑戦によって実践し、実現することができた暁には、

未来はいっそう明るいものになる。

挫折には発展という未来が詰まっていることを

忘れないでほしい。