9月29日,沖縄で

県民11万人が結集して

文科省の教科書検定に抗議する集会が開かれた.

11万人とは驚異的な数である.

この沖縄県民の声がついに政府を動かすことになりそうである.

日本にとってこの大会は

フランス革命にも匹敵する意義を持つように

私には思われる.

というのは,この大会が

人命・人権の重さを一般市民の側から

政府に認めさせたという意味で

日本の歴史においては画期的な意義を持つと思うからである.

西洋における基本的人権は

あくまで人民が下からの革命によって

自力で獲得していった歴史を持つが,

日本は明治の開国とともに

西洋から輸入されたものであり,

さらには敗戦によってアメリカから植樹されたものであった.

日本は人権・人命思想にかかわる内からの革命がないまま

太平洋戦争に突入していったことに

沖縄戦の悲劇の遠因があると私は理解している。

今回の問題は単なる教科書の記述の問題ではない。

人々の意志と情念のうねりが、

人間の価値と尊厳の本質的部分を国の根幹に明記させたという意味で

日本初の革命的事件であった。

沖縄戦で犠牲となった10万を越える人々に

改めて哀悼の意を捧げるとともに、

宜野湾に結集した10万を超える沖縄県民に

畏敬と感嘆の拍手を送りたい。