先日ある予備校で、

私より4歳先輩(同じ高校の先輩に当たる)の

数学の先生からうかがったのだが、

都立高校が全盛の時代

東大の理系を受験しようという高校生はみな

高木貞治の『解析概論』(大学の数学書)が本棚においてあったという。

もちろん読んでいたという意味だが、

読んでいようとなかろうと

理解できていようとなかろうと

ただ飾っているだけだったとしても

その心意気やよし!ではないか。

目が大きく未来に向けられているのがよいのだ。

ちまちました人間関係や

生産的でない自意識に目が向かっている受験生が多い

現代日本を見ると、

未来に向かって大風呂敷を広げている姿が

実に健康的である。

大人も少し子供に豪快さを教えてはどうか。

大法螺を吹く愉快さと

それをほほえましく眺めるゆとりとを

教えてはどうか?

少しは社会が健康的になると思うのだが。