とにかく情報の多い時代である。

大容量の情報を素早く処理することが求められる。

「スピードが勝負!」の時代である。

パソコン、インターネット・・・

文明の利器が大変なスピード時代をもたらし、

今後も一層速度を上げていく様相である。

こうしたスピードの時代に対処できる能力を

身につけていかなければならない。

確かにその通りであろう。

しかし、である。

スピードを否定するつもりは毛頭ないが、

物事には順番がある。

初めからスピード重視という発想には賛成しかねる。

特に教育の世界では初めにスピード重視は禁物である。

思考力はゆっくりでないと身につかない。

ゆっくり、じっくり身につけた思考力を

徐々にスピードの世界に適応させていくのがプロセスである。

今の大学入試問題、特に英語などは

問題量が多い割りには試験時間が短すぎる。

勢い、英文の内容は薄くなる。

軽薄な長文を速く読めることが学力であるはずがあろうか?

こうして挙げて軽薄な教育を施しておきながら

若者の軽薄な犯罪の増加に顔をしかめているという構図も

こっけいではないか。

わがGHSは前期は絶対にスピードはつけさせない。

じっくり英文の構造、読解の論理を根付かせていく。

その方が返って後期のスピードの世界に適応できるのである。

先日紹介した関根雅人君が格好の証左であろう。

なにしろ、中学レベルの英語力から始まって

1年で、あの慶應大学総合政策学部の英語を

81%得点するに至ったのであるから。

しかし、願わくば、大学入試が

短くて重厚な内容の英文に戻ってほしいものである。

大学入試のあり方が日本の教育のあり方を決めている面が

多分にあるのであるから。