経済が低迷、いや混迷の度を増しつつあり
人々は自己資産の防衛に無関心ではいられなくなっている。
しかし、悲しいかな
にわか資産運用で逆にやけどを負っている人も多々いるようである。
日本人はその点まだ発展途上である。
おもしろいのはそういう点に長けたユダヤ人や華僑が
教育にお金をかけるという事実である。
ユダヤ人や華僑は歴史的に大変な辛酸をなめてきた民族である。
彼らがなぜ教育にお金をかけるかというと
これまでなんども財産を根こそぎ収奪される経験をしている彼らは
人間の知性はどんな権力にも収奪されないということを
心の底から理解しているからである。
どんなに横暴な支配者に虐げられても、
どんな歴史的逆境に遭遇しても
知性という財産だけは奪われることがないということ、
そして知性こそが
自分たちを再度立ち直らせていく最高の手段であることを
彼らは知っているのである。
彼らの歴史的経験に比べればまだずっとましであろうが
現在の政治的・経済的混迷が
われわれ日本人にこういう価値観があることを学ばさせてくれるならば
意味なしとはならないであろう。