今の高校3年生が旧課程最後の学年で

またいわゆる「ゆとり教育」最後の学年でもあるということで

浪人すると来年の入試は不利だとのうわさが独り歩きしている。

受験の外部にいる者にとっては

なるほどと思わされ、不安を持たされるのも当然であろう。

しかし、教育課程が変わるとは言っても

文系科目は変わりようがなく、

数学と理科についても、2,3の分野が差し替わる程度。

たとえばあらたに「複素平面」が入ってくるといっても

「複素平面」が数学の世界の一分野である以上

他の分野で培ってきた数学の実力の土台の上にあることには変わりがない。

各教科を統一的、体系的に教えられ

正しい学習のもとにしっかりした数学の実力をつけている者にとっては

新しい分野が増えることの負担は大した問題ではないのである。

課程が変わるから浪人するな、と指導している高校もあるようであるが、

これは自分たちがいかに各分野をバラバラに教え、

本当の学力をつける指導をしてこなかったかを

公言しているようなものである。

上位大学を目指す受験生ほど

課程の移行は関係ないのである。