先日の「毎日新聞」の特集記事によると、

昨年に比べ、今年の入試は

理系の志願者が増大し、文系の志願者が減少したとのこと。

大学の出願状況は世相を反映する。

景気がわるく、将来の生活に不安を覚える社会情勢にあっては

資格が得られ、生活を確保できる学部・学科に人気が集まる。

その最たるものが医学部である。

国立大学はもとより、私大医学部の難化は

「すさまじい」との形容が決して大げさではない。

大学の教官たちも驚いているそうである。

人の命を預かる職業に優秀な人材が集まって

何の不都合もないが

人材の偏りが起こるならば手放しでは喜べない。

文系は文系で優秀な人材が一定数配剤されなければ

国家が社会が回らない。

大学入試制度の実態ゆえに

理数系科目が抜群にできる生徒が医学部に進んでいく。

しかし、医学部には各科目にバランスの取れた学力の持ち主こそ

ふさわしいであろう。

人材配分のミスマッチが

そうでなくとも少子化による人材不足が懸念される今の社会に

なおのこと弊害をもたらすとすれば

文科省はその観点からの

入試制度の点検をすべきであろう。