私事で恐縮だが、

先週、ちょっとした手術で3泊ほど入院した。

私にとってはありがたい休養でもあったのだが、

非日常のいろいろな体験もできたことである。

執刀医は40歳くらいの中堅医師であったが、

ときどき回診にやってくる医師たちは30代前後の集団で

和気あいあいとやってきて

朗らかに会話して、明るく帰っていく。

病棟に「回診の時間です」というアナウンスがあって

看護師たちの張り詰めた雰囲気の中

偉い先生が大名行列のようにやってくる回診の光景は

「今は昔」という感懐であった。

私にとっては10年ぶりの入院手術体験であったが、

まだできて数年の新しい病院であるからなのか、

医療の進歩によるものなのか、

とにかく

手術の装備・作業が様変わりというほどの変化で

手術室に入るや7,8人のスタッフに取り囲まれ、

足にマッサージ用のエアバックをはめられて

至れり尽くせり、

かえって緊張感が増すほど。

退院時に渡される書類にも手術時間が分単位で書かれ、

使用した薬剤も事細かに記載されている。

もちろん支払いは自動支払機で終わり。

このままいったら10年後はどうなっているのだろう?

入院が待ち遠しい!というのは冗談であるが、

病室のお隣さんは膵炎だそうで

主治医に「断酒するほかありません」と宣告されていた。

やはり日頃の健康への配慮が一番と

肝に銘じた入院体験であった。